受賞者

京都府立医科大学大学院医学研究科脳神経内科学
近畿大学医学部脳神経内科 藤野雄三

経歴

2014年3月 京都府立医科大学 医学部医学科 卒業
2014年4月 神戸市立医療センター中央市民病院 初期研修医
2016年4月 京都府立医科大学附属病院 脳神経内科 専攻医
2018年4月 松下記念病院 脳神経内科 医員
2019年10月 京都岡本記念病院 脳神経内科 医員

2020年4月~ 京都府立医科大学大学院医学研究科脳神経内科学 博士課程
2021年4月~ 近畿大学医学部脳神経内科 特別研究学生

所属学会

日本臨床ストレス応答学会、日本神経科学学会、日本神経学会など

コメント

 この度は第16回日本臨床ストレス応答学会 若手研究奨励賞を頂きまして、大変光栄に存じます。ご高配下さいました選考委員の先生方、大会長の足立弘明先生に心より御礼申し上げます。また、平素より厚くご指導頂いております永井義隆先生をはじめ、数多くの方々のお力添えに深く感謝致します。

 今回の研究では、様々なリピート病の病態に密接に関与する非古典的な翻訳、RAN翻訳の制御機構に着目致しました。代表的なリピート病であるC9orf72関連ALS/FTDを対象に、ALS/FTD関連タンパク質であるFUSが、GGGGCCリピートRNAに結合し、その高次構造を変化させることでRAN翻訳を抑制することを明らかにしました。更にそのようなRAN翻訳の抑制は、樹立した疾患ショウジョウバエモデルにおいて変性表現型を改善させました。本研究で得られた知見によって、リピートRNAの保持する高次構造がリピート病における新たな治療ターゲットとなる可能性に期待しております。

 一方でRAN翻訳には未解明の謎が多く残されており、今回の受賞を励みに今後も熱意を以って研究に邁進したいと思います。