受賞者
札幌医科大学医学部病理学第一講座
時田芹奈
経歴
2014年4月~2019年3月 札幌医科大学 病理学第一講座 研究補助員
2019年4月~2022年3月 同上 訪問研究員
2022年4月~2022年5月 同上 研究支援者
2022年4月~ 札幌医科大学 大学院医学研究科 腫瘍免疫学 博士課程
2022年6月~ 札幌医科大学 免疫プロテオゲノミクス共同研究拠点 研究支援者
所属学会
日本臨床ストレス応答学会、日本病理学会、日本癌学会、日本免疫学会、日本がん免疫学会
コメント
この度は、第17回日本臨床ストレス応答学会大会 若手研究奨励賞を授与いただきまして、大変光栄に存じます。大会長の親泊政一先生、ならびに審査員の先生方に厚くお礼を申し上げます。また、日頃よりご指導いただいております鳥越俊彦先生、金関貴幸先生をはじめ研究室の皆様のお力添えに重ねて感謝申し上げます。
私は札幌医科大学 病理学第一講座で腫瘍免疫学分野の研究をさせていただいております。とくにT細胞が認識するがん細胞HLA提示抗原の正体を明らかにし、ゆくゆくは患者様の遺伝学的個性やがん種類に応じたオーダーメイド医療によるがんの根絶を目指しております。なかでも真に腫瘍特異的抗原である体細胞遺伝子変異由来ネオアンチゲンは世界的に注目されている抗原クラスであり臨床応用が期待されておりますが、既存のネオアンチゲン検出法は効率面や普及面で課題が残ります。本大会では、我々が開発した新しいネオアンチゲン検出法「NESSIE」をご紹介し、ヒト検体およびマウスモデルを用いた検証から、HLA-I・IIに提示される免疫原性ネオアンチゲンを効率的に検出可能であること、ワクチン投与によってin vivo腫瘍抑制に働くことを発表させていただきました。NESSIEは新鮮腫瘍組織を必要とせず、HLAの多型性にも縛られません。がん種類・HLA横断的で効率的な新しいネオアンチゲン検出法として、ネオアンチゲンの臨床応用実現に貢献できるものと考えております。本研究がこのような栄誉ある賞をいただけたことを励みに、さらなる発展およびその成果の社会還元を目指し引き続き邁進してまいります。