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受賞者

京都大学化学研究所 武内敏秀

学歴・略歴

平成15年3月 京都大学薬学部 卒業
平成20年3月 京都大学大学院薬学研究科博士後期課程 修了
平成20年3月 博士(薬学)(京都大学)
平成20年4月 スイス・ジュネーブ大学理学部 博士研究員
平成22年5月 国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 流動研究員
平成23年4月 日本学術振興会 特別研究員PD
平成25年4月 京都大学化学研究所 助教
現在に至る

所属学会

日本臨床ストレス応答学会、日本薬学会、日本分子生物学会など

コメント

このたびは、第10回日本臨床ストレス応答学会「若手研究奨励賞」にご選出頂き、誠にありがとうございます。
今回発表させて頂いた研究は、永井義隆先生をはじめ、数多くの方々のご指導、ご協力により、実を結んだ成果であります。この場をお借りして、厚く御礼申し上げます。

受賞内容は、分子シャペロンがエクソソームという小胞に包まれて細胞間を伝播し、別の細胞で神経変性を抑制するという内容であります。
本研究におきまして、このような機構が生体内に存在するということは分かりましたが、果たしてこれが個体にとってどの程度重要なものなのか、また、どのように精密に制御されているのかなど、まだまだ不明な点が多くあります。疾患との関わりも明らかにする必要があります。

本研究成果をひとつのゴールとしてではなく、今後の問題提起と捉え、「奨励賞」を励みに、これからひとつずつ明らかにしていきたいと考えています。

開催の目的と意義

日本臨床ストレス応答学会は、生体の様々なストレス応答の分子機構の理解と臨床への応用を目的として1996年に立ち上げられた臨床ストレス蛋白質研究会が、より広範なストレス応答を対象とし、より多くの基礎および臨床研究者や、医療および社会への応用を目指す方々の学術交流の場を目指して2006年に学会へと発展したものです。

個体や細胞へ負荷される様々な環境や代謝の変化によるストレス刺激に対する適応機構はストレス応答と呼ばれ、生体機能の恒常性の維持に不可欠であり、その異常が多くの難治性疾患の原因となっています。高度競争社会の構築に伴い日々高まる緊張下にある現代社会においては、多くの疾患がストレス応答の異常に基づくことが明らかになってきました。さらに、本格的高齢化社会をも迎えている今日、老化と密接に関連するストレス応答のしくみを解明し、それを制御することは今後益々重要であると考えられます。

本大会では、タンパク質分解やシグナルを担うユビキチン修飾の研究で著名な岩井一宏京都大学大学院教授、およびアミノ酸代謝変化による転写環境の構築で独創的な研究を進めておられる深水昭吉筑波大学大学院教授による特別講演を企画しております。また、2つのシンポジウムでは「核を介するストレス適応機構」、「ストレス応答と疾患;Bridges to Clinics」をテーマとして海外招聘者を含む新進気鋭の研究者にご講演をいただく予定です。さらに、若手研究者育成を目的として若手研究奨励賞を5人に授与いたします。全国のストレス応答の分子生物学、細胞生物学、臨床医学の研究者、および医師、医療・保健関係者が一堂に会し、最近の進歩と展望について議論する有意義な場になることを祈念しております。

 

開催日程の概要

2016年11月11日(金)

受付開始(11:30 – )

幹事会(12:00 – 13:00)

開会挨拶(13:00 – 13:04)
大会長:中井 彰

セッション1(13:04 – 13:54)
シャペロンと老化、がん 座長:柴田 亮行(東京女子医科大学)跡見順子(東京農工大学)

O1 好熱性真菌Chaetomium thermophilum由来プレフォルディンの機能構造解析
養王田正文、森田健斗、山本陽平、宇野裕子、野口恵一
東京農工大学大学院工学府生命工学専攻、他

O2 p53標的遺伝子IER5は新規の低リン酸化型の活性化HSF1を作り出し、がん化を促進する
大木理恵子
国立がん研究センター研究所
(P0)

O3 ストレスタンパク質ヘムオキシゲナーゼ-1遺伝子の転写制御
井上幸江、羽鳥勇太、赤木玲子
安田女子大学薬学部薬学科

O4 細胞老化とヒートショックプロテインの発現量の関係
早崎沙彩、Anan Yu、Sue Fox、Rick Morimoto、跡見順子
東京農工大学工学府、他
(P1)若手研究奨励賞応募演題

O5トリプトライドはメラノーマ細胞においてHSF1を介して抗腫瘍効果を発揮する
中村好貴、中谷祐子
山口大学大学院医学系研究科皮膚科学分野

13:54 – 14:10 休憩

セッション2(14:10 – 15:00)
酸素と関連するストレス応答と免疫・炎症 座長:井上 幸江(安田女子大学)山本 悠太(和歌山県立医科大学)

O6 酸化ストレスはメトホルミンによる抗腫瘍効果を誘導する
西田充香子、周悦、山﨑千尋、榮川伸吾、鵜殿平一郎
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科免疫学
(P2)若手研究奨励賞応募演題

O7 低酸素およびグルコース飢餓による腫瘍細胞MHCクラスIb発現とCD8+T細胞応答低下
佐々木敬則、金関貴幸、宮本昇、宮崎晃亘、平塚博義、鳥越俊彦
札幌医科大学医学部病理学第一講座、他
(P3)若手研究奨励賞応募演題

O8 腸上皮バリア障害モデルにおける活性酸素種と炎症の関連の検討
羽鳥勇太、井上幸江、赤木玲子
安田女子大学薬学部薬学科
(P4)若手研究奨励賞応募演題

O9 ERO1αはコラーゲンの分泌とMT1-MMPの生合成を介して肝星細胞の増殖を調節する
米田明弘、藤井瑞希、武井則雄、澤田香織、横山敦郎、田村保明
北海道大学産学・地域協働推進機構FMI推進本部難治性疾患治療部門、他

14:50 – 15:00 休憩

ポスター発表(若手研究奨励賞候補者) (15:00 – 16:00)
P1 – P15

シンポジウム1 (16:10 – 18:10)
「核を介するストレス適応機構」
座長:永井 義隆(大阪大学)西頭 英起(宮崎大学)

S1 「転写因子NRF2による酸化ストレス応答と細胞老化制御」
本橋 ほづみ 先生
東北大学加齢医学研究所

S2 「ヒートショックシグナル活性化の多様性と認知機能障害」
鳥居 和恵 先生
Children’s National Medical Center for Neuroscience Research

S3 「分子シャペロンHsp70核内輸送運搬体Hikeshiの機能」
今本 尚子 先生
理化学研究所基幹研究所

S4 「熱ショック応答におけるポリADPリボシル化酵素の役割」
藤本 充章 先生
山口大学大学院医学系研究科

S5 「DNA損傷応答における小胞体ストレストランスデューOASISの役割」
今泉 和則 先生
広島大学大学院医歯薬保健学研究科

18:10 – 18:20 休憩

特別講演1 (18:20 – 19:10)
座長:中井 彰(山口大学)

「PRMT1(アルギニンメチル化酵素)とストレス応答機構」

深水昭吉 筑波大学大学院教授
(新学術領域研究「転写代謝システム」代表)

懇親会、若手研究奨励賞発表・受賞式 (19:20 – 21:00)

 
2016年11月12日(土)

セッション3(8:30 – 9:20)
タンパク質毒性ストレス応答と細胞死、ミトコンドリア機能 座長:親泊 政一(徳島大学)小瀬 真吾(理化学研究所)

O10 Translational and post-translational regulation of XIAP by eIF2α and ATF4 promotes ER stress-induced cell death during the unfolded protein response
Nobuhiko Hiramatsu, Jonathan H. Lin, Takao Iwawaki
Department of Pathology, University of California, San Diego, 他
(P5)若手研究奨励賞応募演題

O11 UPR欠損マウス胎児線維芽細胞は小胞体からのCa2+放出を介してアポトーシスを誘導する
張君、三宅雅人、津川和江、宮本千伸、親泊政一
徳島大学先端酵素学研究所生体機能学分野

O12 小胞体ストレス受容体PERKを介したミトコンドリア品質管理機構の解明
加藤裕紀、西頭英起
宮崎大学医学部機能生化学分野
(P6)若手研究奨励賞応募演題

O13 HSF1-SSBP1 complex maintains mitochondrial function via upregulation of NRF1 expression during heat shock
Ke Tan, Yumei Fan, Arpit Katiyar, Mitsuaki Fujimoto, Ryosuke Takii, Akira Nakai, and Xianglin Duan
Laboratory of Molecular Iron Metabolism, Key Laboratory of Animal Physiology, College of Life Science, Hebei Normal University, China, 他
(P7)若手研究奨励賞応募演題

O14 HSF1 is a regulator of mitochondrial HSP genes in mammals
Arpit Katiyar, Mitsuaki Fujimoto, Ryosuke Takii, Ke Tan, and Akira Nakai
Deptartment of Biochemistry & Molecular Biology, Yamaguchi University School of Medicine
(P8)若手研究奨励賞応募演題

9:20 – 9:30 休憩

セッション4(9:30 – 10:10)
タンパク質毒性ストレス応答と組織恒常性 座長:樋口 京一(信州大学)平松 伸彦(金沢医科大学)

O15 オートファジーによる変異アンドロゲン受容体の分解とその治療への応用
足立弘明、黃哲、岡田和将、大成圭子、橋本智代、岩中行己男、豊田知子、勝又竜
産業医科大学医学部神経内科学

O16 遺伝子置換システムを用いた優性遺伝性GH1遺伝子異常症モデルマウスの作製と発症機序の解明
有安大典、久保英実香、芝田晋介、荒木喜美
熊本大学生命資源研究・支援センター疾患モデル分野、他

O17 マウスLeydig細胞でのステロイド合成におけるHSF1の役割
岡真太郎、白石晃司、藤本充章、Arpit Katiyar、瀧井良祐、中井彰、松山豪泰
山口大学大学院医学系研究科泌尿器科学講座、他
(P9)若手研究奨励賞応募演題

O18 廃用性筋萎縮に伴うマウスヒラメ筋の速筋化におけるHSF1の役割
後藤勝正、横山真吾
豊橋創造大学大学院健康科学研究科

10:10 – 10:20 休憩

シンポジウム2 (10:20 – 11:32)
「ストレス応答と疾患;Bridges to Clinics」
座長:足立 弘明(産業医科大学)養王田 正文(東京農工大学)

S6 「大腸がん原発巣の進化において多様性を生じるストレス・選択圧について」
三森 功士 先生
九州大学病院別府病院

S7 「肝疾患における肝細胞のストレス対応」
原田 大 先生
産業医科大学医学部第3内科学

S8 「小胞体ストレス応答と慢性腎臓病(CKD)」
稲城 玲子 先生
東京大学大学院医学系研究科 CKD病態生理学講座

11:32 – 11:40 休憩

評議委員会、総会 (11:40 – 12:00)

ランチョンセミナー(12:10 – 13:10)
座長:徳永 文稔(大阪市立大学)

L1 「CRISPR/Cas9システムを用いたES細胞のゲノム編集とその応用」
伊川 正人 先生
大阪大学微生物病研究所
プライムテック株式会社 共催

13:10 – 13:20 休憩

セッション5(13:20 – 14:10)
ストレスシグナルとがん、組織恒常性 座長:鳥越 俊彦(札幌医科大学)増井 憲太(東京女子医科大学)

O19 がんの病態と蛋白翻訳後修飾
増井憲太、原地美緒、Webster K. Cavenee、Paul S. Mischel、柴田亮行
東京女子医科大学第一病理、他

O20 EGFR-mTORC1経路はがんのエピジェネティクスを制御する
原地美緒、増井憲太、柴田亮行
東京女子医科大学病理学第一講座
(P10)若手研究奨励賞応募演題

O21 治療抵抗性婦人科がん幹細胞におけるストレス応答分子機序解析
田渕雄太、廣橋良彦、村井愛子、安田和世、浅野拓也、真理谷奨、鳥越俊彦
札幌医科大学医学部病理学第一講座
(P11)若手研究奨励賞応募演題

O22 Role of three lysine residues in hERG to regulate hERG expression and channel function
Peili Li, Endang Mahati, Yasuaki Shirayoshi, Ichiro Hisatome
Division of Regenerative Medicine and Therapeutics,Tottori University Graduate School of Medical Science

O23 D—セリンは小胞体ストレスと酸化ストレスを介した尿細管老化を促進する。
岡田啓、Jao Tzu-Ming、南学正臣、稲城玲子
東京大学大学院医学系研究科腎臓内分泌内科、他
(P12)若手研究奨励賞応募演題

14:10 – 14:20 休憩

セッション6(14:20 – 15:00)
化合物によるストレス制御 座長:田村 保明(北海道大学)後藤 勝正(豊橋創造大学)

O24 非アルコール性脂肪性肝炎モデルにおいてランソプラゾールはTGF-β活性を抑制する
山本悠太、山岸直子、西利男、上山敬司
和歌山県立医科大学医学部解剖学第一講座

O25 ランソプラゾールはNrf2/Ho1経路を活性化することによって肝細胞保護作用を示す
山岸直子、山本悠太、西利男、伊藤隆雄、上山敬司
和歌山県立医科大学解剖学第一講座
(P13)若手研究奨励賞応募演題

O26 血管内皮に対する還元型コエンザイムQ10の抗酸化ストレス、抗老化と細胞機能改善効果
霍佳、徐哲、代健、五十嵐佑一、宮原大貴、澤下仁子、樋口京一
信州大学大学院医学系研究科疾患予防医科学系加齢生物学、他
(P14)若手研究奨励賞応募演題

O27 鼻咽頭愁訴に対するActive hexose correlated compoundの無作為化二重盲検プラセボ比較試験
高成準、鎌田奈美佳、脇英彰、鈴木卓也、田中結希、今井賢治、上馬塲和夫、久島達也
株式会社アミノアップ化学、他
(P15)若手研究奨励賞応募演題

15:00 – 15:10 休憩

特別講演2 (15:10 – 16:00)
座長: 鵜殿 平一郎(岡山大学)

「直鎖状ユビキチン鎖:NF-κB活性化、細胞死制御、ガン」
岩井一宏 京都大学大学院教授
(新学術領域研究「ユビキチン制御」代表 )

閉会の挨拶 (16:00)
大会長:中井 彰

 

大会の運営

(1)大会実行委員

委員長: 中井 彰(山口大学大学院医学系研究科医化学分野)
委員:
鵜殿平一郎(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科免疫学分野)
鳥越俊彦(札幌医科大学医学部病理学第一講座)
養王田正文(東京農工大学大学院工学府生命工学専攻)
樋口京一(信州大学大学院医学系研究科加齢生物学)
伊藤英晃(秋田大学大学院工学資源学研究科生命科学科)
永井義隆(大阪大学大学院医学系研究科神経難病認知症探索治療学)
徳永文稔(大阪市立大学大学院医学研究科分子病態学)
柴田亮行(東京女子医科大学医学部病理学第一講座)
足立弘明(産業医科大学医学部神経内科)
今泉和則(広島大学大学院医歯薬保健学研究科分子細胞情報学)
西頭英起(宮崎大学医学部機能生化学)
久留一郎(鳥取大学大学院医学系研究科再生医療学部門)
松山豪泰(山口大学大学院医学系研究科泌尿器科学分野)

 

大会スケジュール

第10回日本臨床ストレス応答学会大会 プログラム

2015年11月6日(金曜)

13:00 開会挨拶(大会長)
13:04〜13:58 一般口演 (若手研究奨励賞応募演題)
14:05〜14:55 ポスタープレビュー
15:00〜16:30 ポスターセッション
16:40〜18:30 特別講演

講演 遠藤 章 東京農工大学特別栄誉教授
(2008年 ラスカー・ドゥベーキー臨床医学研究賞受賞 )
講演II 森 和俊 京都大学大学院 教授
(2014年 アルバート・ラスカー基礎医学研究賞受賞賞 )
18:40〜20:40 会員懇親会、若手研究奨励賞発表
2016年11月7日(土曜)

8:30〜9:24 一般口演(セッション2)
9:30〜10:30 Bridges to Clinics
10:35〜11:30 一般口演(セッション3)
11:35〜11:55 評議員会、総会
12:00〜13:00 ランチョンセミナー(北海道システムサイエンス共催)

講師: 秋光 信佳 東京大学アイソトープセンター

13:00〜15:00  シンポジウム 「RNAストレスとシャペロン療法」

演者1 稲田 利文 東北大学大学院薬学研究科
演者2 廣瀬 徹郎 北海道大学遺伝子病制御研究所
演者3 石黒 太郎 東京医科歯科大学大学院脳神経病態学
演者4 深田 優子 自然科学研究機構生理研生体膜
演者5 難波 栄二 鳥取大学生命機能研究支援センター
 

15:00〜16:00 特別講演

講演III  Professor Harm H. Kampinga
    (University of Groningen, The Netherlands)

16:00 閉会あいさつ(大会長)

受賞者

山本悠太

学歴

平成16年3月31日
北海道大学薬学部総合薬学科卒業
平成16年4月1日
京都大学大学院薬学研究科生命薬化学専攻入学
平成18年3月31日
京都大学大学院薬学研究科生命薬化学専攻修了
平成18年4月1日
徳島大学大学院医科学教育部プロテオミクス医科学専攻
(ストレス制御医学分野)入学
平成22年3月31日
徳島大学大学院医科学教育部プロテオミクス医科学専攻
(ストレス制御医学分野)修了

職歴

2010年4月 和歌山県立医科大学医学部解剖学第一教室 助教として着任

所属学会

日本臨床ストレス応答学会
日本解剖学会
日本神経科学会
日本分子生物学会
日本生物学的精神医学会
THE INTERNATIONAL “STRESS AND BEHAVIOR” SOCIETY

専門領域

解剖学、創薬科学、行動生理学、システムバイオロジー

コメント

この度は私共の研究を第10回日本臨床ストレス応答学会・若手奨励賞に選出していただき誠にありがとうございました。
大変光栄に存じており、今後とも研究に邁進していきたいと思っております。

本研究は、ランソプラゾールが抗酸化ストレスタンパク質の転写因子であるNrf2の発現を誘導することにより抗酸化タンパク質の発現を増加させ急性肝炎モデルにおいて肝保護効果示しました。

さらに未だ治療薬の確立されてない非アルコール性脂肪肝炎(NASH)モデルにおいても病態進行を抑制する効果を示しております。

ランソプラゾールは特許の切れた医薬品ではある反面、安全性が十分に担保された薬であります。
抗酸化ストレスタンパク質誘導薬の創薬は盛んに行われていますが、安全性の面が未だクリアーできておりません。

このため今後は本研究を臨床試験に移し、有効性を確認することが重要な課題となると確信しており、成果をまた本学会で発表していければと思っております。

受賞者

増井憲太(東京女子医科大学病理学第一講座)
生年月日 昭和52年10月3日 38歳

学歴・職歴

2003年
長崎大学医学部医学科 卒業
2003年
長崎大学医学部・歯学部付属病院 研修医
2004年
日本赤十字社長崎原爆病院 研修医
2006年
九州大学大学院医学系学府 機能制御医学専攻博士課程(神経病理学)
2010年
九州大学病院病理部 医員
2011年
David Geffen School of Medicine at UCLA (Post-doctoral Scholar)
2012年
Ludwig Institute for Cancer Research at UCSD (Post-doctoral Scholar)
2014年
公益財団法人東京都医学総合研究所 神経病理解析室 主席研究員
2015年
現職(東京女子医科大学病理学第一講座 助教)

所属学会

日本病理学会、日本神経病理学会、日本脳腫瘍病理学会、日本脳腫瘍学会、日本臨床ストレス応答学会

専門領域

神経病理学、脳腫瘍の分子病理

コメント

このたびは栄誉ある賞を頂き大変光栄に存じます。 審査員の方々、ならびに研究を支援していただいております柴田亮行教授をはじめとする東京女子医科大学第一病理学の皆さま、さらには共同研究者の方々に厚くお礼申し上げます。

様々な分野の基礎および臨床研究者の方々から、私がこれまで一貫して行ってきた癌と代謝の研究についての意義を評価していただき、大変うれしく思っております。

それと同時に、学会に参加された皆さまの、基礎の分子・細胞レベルから臨床へとつながる素晴らしい研究の数々を拝見し、大変刺激を受けた次第です。

本受賞の名に恥じることのないよう、今後とも研究に邁進し、脳腫瘍の患者様へわれわれの研究成果を治療として届けることができるよう努力していきたいと思います。

開催スケジュール

2014年11月1日(土)

8:55 ̶ 9:00

開会挨拶(大会長:鵜殿平一郎)

9:00 ̶ 9:54

セッション1 酸化ストレス・ストレス応答
座長 : 鳥越俊彦(札幌医科大学医学部) 藤田潤(京都大学大学院)

1.

還元型コエンザイム Q10 の抗老化メカニズムの解明 ̶培養細胞を用いた解析̶ 徐哲、田耕、澤下仁子、森政之、樋口京一 信州大学大学院 医学系研究科 疾患予防医科学系 加齢生物学、他

2.

Integrated stress response を担う第 5 の eIF2αキナーゼが存在する可能性の CRISPR/Cas9 システ ムを用いた検証 谷内秀輔、三宅雅人、津川和江、親泊政一 徳島大学疾患プロテオゲノム研究センター生体機能分野

3.

ヘムオキシゲナーゼ1の熱ショック応答 井上幸江、久保貴紀、赤木玲子 安田女子大学・薬学部

4.

酵母 HSP 遺伝子の転写において転写コアクチベータの必要性は HSE 配列によって変化する 松尾由美、小川真実、橋川成美、橋川直也 岡山理科大学大学院理学研究科

5.

Hsp90α欠損マウスの雄性生殖細胞の解析 一柳朋子、一柳健司、佐々木裕之、鵜殿平一郎 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科免疫学分野、他

9:55 ̶ 10:40

セッション2 小胞体ストレス
座長 : 岩脇隆夫(群馬大学)
青江知彦(千葉大学医学部)

7.

インスリン生合成に必要な膵臓ベータ細胞における eIF2αキナーゼとホスファターゼのバランス機 構 岩脇隆夫、赤井良子、細田章、徳田美緒 群馬大学・先端科学研究指導者育成ユニット、他

8.

飽和脂肪酸は膵β細胞の小胞体膜の組成を変化させ、PERK 経路の活性化による翻訳抑制を介してイ ンスリン分泌を低下させる 倉橋清衛、森智子、宮本千伸、津川和江、親泊美帆、高原一菜、佐藤亮祐、木村寿子、三宅雅人、 松本俊夫、親泊政一 徳島大学 疾患プロテオゲノム研究センター 生体機能分野、他

9.

CRISPR/Cas9 を用いた小胞体ストレス応答伝達タンパク質の検証 張君、三宅雅人、津川和江、親泊政一 徳島大学 疾患プロテオゲノム研究センター 生体機能分野

10.

老化・疾患による小胞体レドックス恒常性の低下 森戸大介、Janine Kirstein-Miles、垣花太一、杉原宗親、Mark S. Hipp、F. Ulrich Hartl、 Richard I. Morimoto、永田和宏 京都産業大学 総合生命科学部、他

11.

吸入麻酔薬による神経障害に対する小胞体ストレスの影響 青江知彦、小見田真理、神久代 東京女子医科大学八千代医療センター麻酔科

<休憩5分>

10:45 ̶ 11:21

セッション3 ユビキチン化・タンパク質凝集
座長 : 久保田広志(秋田大学理工学部) ・足立弘明(産業医科大学医学部)

12.

Hsp90/CHIP 複合体と Hsc70/CHIP が基質タンパク質のユビキチン化に与える影響 山崎千尋、兼澤弥咲、加藤大輝、鵜殿平一郎 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 免疫学分野

13.

異常タンパク質の細胞内における脱凝集過程の解析 勝木莉子、田村拓、北村朗、金城政孝、久保田広志 秋田大学工学資源学部生命化学科、他

14.

プレフォルディンとの協調作用におけるグループ II 型シャペロニン C 末端の機能解明 養王田正文、座古保、藤井冴郁、Muhamad Sahlan、Phan The Tai、酒井光太郎、山本陽平、 前田瑞夫 農工大・院工・生命工、他

15.

Optineurin による NF-κB シグナル制御の細胞機構と疾患 及川大輔、石井亮平、中澤世識、石谷隆一郎、濡木理、徳永文稔 群馬大・生体調節研・分子細胞制御、他

<休憩5分>

11:22 ̶ 12:07

セッション4 癌・炎症・免疫 ̶1
座長 : 養王田正文(東京農工大学大学院)・大塚健三(中部大学応用生物学部)

16.

肺がん幹細胞は酸化ストレスに起因するエピジェネティックな制御によりその形質を変化させる 西條浩、廣橋良彦、高谷あかり、塩野谷洋輔、堀部亮多、鳥越俊彦、高橋弘毅、佐藤昇志 札幌医科大学 医学部 病理学第一講座、他

17.

熱ショック転写因子(HSF1)は in vitro、in vivo においてヒトメラノーマ細胞の遊走能、浸潤能の 維持に必要である 中村好貴、藤本充章、福島園子、中村有希子、中井彰、武藤正彦 山口大学大学院医学系研究科皮膚科学分野、他

18.

p53 の機能喪失は IRE1/XBP1 経路の活性化を誘導し、癌細胞における小胞体の機能を亢進させる。 難波卓司 高知大学総合研究センター

19.

腫瘍に高発現する酸化酵素 ERO1-αは、腫瘍増殖環境を整える 田中努、田村保明、梶原敏充、鳥越俊彦、岡本芳晴、佐藤昇志 札幌医科大学 医学部 病理学第一講座、他

20.

2型糖尿病薬メトホルミンの腫瘍局所における CD8 T 細胞疲弊解除 榮川伸吾 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科免疫学

<休憩8分>

12:15 ̶ 13:15

ランチョンセミナー1 ソニー株式会社共催

12:15 ̶ 12:25

SONY製品セミナー:「スペクトル型フローサイトメーターを使用した血球系細胞の解析例」

12:25 ̶ 13:15

ランチョンセミナー:座長 : 樋口京一(信州大学大学院)
座長 : 樋口京一(信州大学大学院)

「分子シャペロンインスパイアード材料の開発と医療応用」
秋吉一成 先生
京都大学大学院工学研究科

13:20 ̶ 13:50

評議員会・総会

14:00 ̶ 15:00

若手研究奨励賞応募演題 ポスター発表
演題:自由討論

<休憩5分>

15:10 ̶ 17:20

シンポジウム1 オルガネラストレスとエピジェネティクス 座長 : 中井彰(山口大学大学院)
森和俊(京都大学大学院)

「神経変性疾患でのエピゲノム異常」
岩田淳 先生
東京大学医学部附属病院 神経内科 さきがけ研究員

「エピジェネティクス修飾異常に伴う“痛みの細胞記憶”の形成」
成田年 先生
星薬科大学 薬理学教室

「小胞体ストレスと神経細胞死」
一條秀憲 先生
東京大学大学院薬学系研究科 細胞情報学教室

<休憩5分>

「「2 型糖尿病と血管傷害における小胞体ストレス」
古橋眞人 先生
札幌医科大学 循環器・腎臓・代謝内分泌内科学講座

「リン脂質メチル化を介した選択的ミトコンドリア分解の制御」
岡本浩二 先生
大阪大学大学院生命機能研究科

<休憩10分>

17:30 ̶ 18:30

特別講演1
座長 : 鵜殿平一郎(岡山大学大学院)

「Integrating UPR, inflammation and cancer immunity」
Dr. Zihai Li
Medical University of South Carolina

<休憩・移動>

19:00 ̶ 20:30

懇親会
若手研究奨励賞表彰式

2014年11月2日(日)

8:15 ̶ 9:00

セッション5 癌・炎症・免疫 ̶2
座長 : 田村保明(北海道大学フート&メディカルイノベーション推進本部)
桑野由紀(徳島大学大学院)

21.

上皮間葉移行モデルの構築とメカニズム解析 西田憲生、狩野静香、板井美樹、藤田絹代、佐竹譲、成戸卓也、桑野由紀、六反一仁 徳島大学大学院ヘルスバイオサイエンス研究部ストレス制御医学分野

22.

非コード RNA(T-UCR)を介した大腸がんの細胞増殖メカニズムの検討 桑野由紀、梶田敬介、佐竹譲、狩野静香、藤田絹代、板井美樹、西田憲生、成戸卓也、六反一仁 徳島大学大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部・ストレス制御医学分野

23.

腫瘍に高発現する酸化酵素 ERO1-αは、がん幹細胞形質の維持に関与する 田村保明、田中努、梶原敏充、鳥越俊彦、岡本芳晴、佐藤昇志 北海道大学 フート&メディカルイノーべーション推進本部 難治性疾患治療部門、他

24.

小胞体ストレスにより癌細胞アポトーシスを誘導する REIC/Dkk-3 遺伝子治療が抗腫瘍免疫に及ぼ す影響の検討 有吉勇一、定平卓也、渡部昌実、那須保友、榮川伸吾、山﨑千尋、一柳朋子、鵜殿平一郎、公文裕巳 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科泌尿器病態学、他

25.

ほ乳類低温ショックタンパク質 Cirp は炎症反応を増悪させる 藤田潤 京都大学医学研究科 分子病診療学

<休憩5分>

2014年11月2日(日)

9:05 ̶ 9:23

Short talks Bridges to Clinics
座長 : 伊藤英晃(秋田大学大学院

26.

酵素処理アスパラガス抽出物(ETAS)のストレス応答物質に対する有効性に関する臨床試験 高成準、三浦健人、久島達也 株式会社アミノアップ化学 研究部、他

27.

全身性エリテマトーデス(SLE)患者の末梢血単核球(PBMC)における microRNA miR-155, 17, 181b の発現低下と,interferon (IFN)-α,activation-induced cytidine deaminase (AID)の mRNA 発現亢 進 面川歩、小松田敦、伊藤貢、手島和暁、田川博之、廣川誠、涌井秀樹 秋田大学大学院医学系研究科 総合診療・検査診断学、他

28.

IgA 関連糸球体疾患における IgA 型抗分子シャペロン自己抗体 小原綾乃、三瓶杏、小松田敦、布村渉、涌井秀樹 秋田大学大学院医学系研究科 血液・腎・膠原病内科学、他

<休憩7分>

9:30 ̶ 11:20

シンポジウム2(公開) ストレスと免疫・癌・炎症
座長 : 親泊政一(徳島大学疾患プロテオゲノム研究センター)
徳永文稔(群馬大学生体調節研究所)

「敗血症における循環血中好中球の動態と新規治療法の提案」 西堀正洋 先生
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 薬理学

「がん幹細胞における細胞ストレス応答機構の特性」
鳥越俊彦 先生
札幌医科大学医学部病理学第一講座

「Toll 様受容体の活性制御機構とその破綻」
三宅健介 先生
東京大学医科学研究所 感染遺伝学分野

「ミスフォールドタンパク質の細胞内動態制御機構」
村田茂穂 先生
東京大学大学院薬学系研究科

「エネルギーセンサーを介したストレス応答と腫瘍免疫の関わり」
鵜殿平一郎 先生
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 免疫学分野

<休憩10分>

11:30 ̶ 12:20

特別講演2
座長 : 佐藤昇志(札幌医科大学医学部)

「オートファジーの破綻によるミトコンドリアストレスと肝癌・神経変性疾患」
田中啓二 先生
東京都医学総合研究所

<休憩10分>

12:30 ̶ 13:20

ランチョンセミナー2 <杏林製薬株式会社共催>
座長 : 豊岡伸一(岡山大学大学院)

「ナノバイオ標的医療の展開とストレス応答」
公文裕巳 先生
岡山大学大学院医歯薬学総合研究科

<休憩10分>

13:25

閉会挨拶(学会長:鵜殿平一郎)