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開催の目的と意義

臨床ストレス応答学会は、生体の様々なストレス応答の分子機構の理解と臨 床への応用を目的として 1996 年に立ち上げられた臨床ストレス蛋白質研究会 が、国際組織(Cell Stress Society International)の日本での受け皿とし て、より広範なストレス応答を対象とし、より多くの基礎及び臨床研究者や、 医療及び社会への応用を目指す方々の学術交流の場を目指し、2006 年に学会 (第1回大会)へと発展したものです。2019 年、第 14 回大会となる本大会よ り学会名に「日本」を冠し、新たな決意のもと基礎-臨床が融合し、基礎解析 と疾患発症メカニズム解明を目指す場として、さらなる活動を展開していきま す。

 

開催日程の概要 (2019/10/16更新)

2019年11月2日(土)

受付開始(11:30 – )

幹事会(12:00 – 13:00)

開会挨拶(13:00 – 13:05) 大会長:徳永文稔

一般口演1「ユビキチン修飾系と炎症・ストレス応答」(13:05-13:53)
座長:及川 大輔(大阪市立大学)、高橋 宏隆(愛媛大学)

O-1 LUBACによるT細胞受容体シグナル制御に関する細胞・生化学及び数理モデル解析
及川 大輔(大阪市立大学大学院医学研究科分子病態学)

O-2 高浸透圧環境におけるストレス応答および免疫応答に対する新規NFAT5制御分子HES1の機能解析
立野 浩輝(東大・院薬・細胞情報)

O-3 ウイルスRNA受容体MDA5に結合し、IFN産生シグナルを抑制する脱ユビキチン化酵素の同定と機能解析
高橋 宏隆(愛媛大学プロテオサイエンスセンター)

O-4 培養ニューロン細胞質TDP-43凝集体形成を抑制する分子の解析
渡部 和彦(杏林大学保健学部臨床検査技術学科神経病理学)

シンポジウム1 「タンパク質分解とストレス応答」(14:10-15:50)
共催:新学術領域研究「ケモテクノロジーが拓くユビキチンニューフロンティア」
座長:鵜殿 平一郎 (岡山大学)、足立 弘明(産業医科大学)

S-1 高浸透圧ストレスによるプロテアソーム液滴形成と核内タンパク質分解
佐伯 泰 先生(公益財団法人東京都医学総合研究所蛋白質代謝研究室)

S-2 易凝集性タンパク質のユビキチン依存的細胞内局在制御機構
村田 茂穂 先生(東京大学大学院薬学系研究科)

S-3 ストレスに応答した損傷ミトコンドリアの選択的分解
山野 晃史 先生(東京都医学総合研究所 ユビキチンプロジェクト)

S-4 CFTR 品質管理機構と嚢胞性線維症創薬への応用
沖米田 司 先生(関西学院大学理工学部生命医化学科)

若手研究奨励賞応募演題ポスタープレビュー(16:05-16:25)1人1分
座長:塩田 正之(大阪市立大学)

Y-1 がん細胞におけるβ-catenin/TCF4複合体によるNRF3(NFE2L3)遺伝子の誘導
畑中 彩里(同志社大・院生命・医シス)

Y-2 転写因子NRF3(NFE2L3)はアミノ酸取り込みを介してmTORC1シグナルを活性化する
谷 美里(同志社大・院生命医)

Y-3 NRF3によるSREBP2発現を介したコレステロール代謝リプログラミングの可能性
萩原 透(同志社大・院生命医・医シス)

Y-4 NRF1とNRF3は翻訳制御を介してがん細胞の構成的なプロテアソーム活性を相補的に維持する
平岡 都(同志社大・院生命・医シス)

Y-5 HSF1 regulates the mitochondrial UPR response in mammals
Arpit Katiyar(Yamaguchi University Graduate School of Medicine)

Y-6 クルクミン摂取はAApoAIIアミロイドーシスの発症を促進する:促進メカニズムの検討
代 健(信州大学先鋭領域融合研究群バイオメディカル研究所)

Y-7 マクロファージのサイトカイン分泌におけるアドレナリンの役割の検討
羽根 雅人(大阪大学大学院 薬学研究科 先制心身医薬学寄附講座)

Y-8 社会的行動低下マウスにおける血中サイトカイン濃度の検討
森本 健揮(大阪大学大学院 薬学研究科 先制心身医薬学寄附講座)

Y-9 Conditional deletion of Hsp90α and β induced immunogenic cell death of the tumor
Weiyang Zhao(Dept. of Immunology, Okayama University Graduate School of Medicine)

Y-10 オリゴノールの抗酸化作用がアスリートの運動疲労に及ぼす影響
塩 拓磨(株式会社アミノアップ)

Y-11 ポリグルタミン蛋白質によるプリオン様異常構造伝播
小澤 大作(大阪大学大学院医学系研究科神経難病認知症探索治療学寄附講座)

Y-12 前立腺がん幹細胞の治療抵抗性に関わる因子の検討
若宮 崇人(和歌山県立医科大学附属病院泌尿器科)

Y-13 ASK1はNOD-RIPK2経路を抑制し脂肪細胞での炎症応答を制御する
高柳 早希(東大・院薬・細胞情報)

Y-14 ASK3不活性化における高浸透圧ストレスセンサー候補分子TRPM4の機能解析
森下 和浩(東京大学大学院薬学系研究科細胞情報学教室)

Y-15 Molecular chaperone αB-crystallin regulates focal adhesion stability under mechanical stress conditions
Saaya Hayasaki(Tokyo University of Agriculture and Technology)

Y-16 Molecular chaperone αB-crystallin as a guardian of slow muscle: Prevention of muscle atrophy and construction of myotube culture system using muscle master genes
Aya Atomi(Tokyo University of Agriculture and Technology)

若手研究奨励賞応募演題ポスター討論(16:25-17:05)

特別講演 (17:15-18:15)
座長:田中 啓二(東京都医学総合研究所)

一條 秀憲 先生(東京大学大学院薬学系研究科・細胞情報学教室)
「細胞がストレスを感じる仕組みと疾患」

懇親会、若手研究奨励賞受賞式 (18:30-20:00)

2019年11月3日(日)

受付開始(8:00-)

一般口演2「細胞のストレス応答」(9:00−9:48)
座長:岩脇 隆夫(金沢医科大学)、小亀 浩市(国立循環器病研究センター)

O-5 小胞体の予防的品質管理における新生タンパク質の翻訳制御
門脇 寿枝(宮崎大学医学部機能生化学)

O-6 小胞体ストレス応答分子により制御される過食行動の分子メカニズム
岩脇 隆夫(金沢医科大学総合医学研究所)

O-7 ポリADPリボースは液−液相分離を介して浸透圧ストレス応答キナーゼASK3を制御する
渡邊 謙吾(東大・院薬・細胞情報)

O-8 Hsp72によるがん細胞遊走制御
塩田 正之(大阪市大院・医・研究支援プラットフォーム)

シンポジウム2 「ストレス応答シグナルと疾患研究のフロンティア」(10:00-11:40)
共催:新学術領域研究「数理解析に基づく生体シグナル伝達システムの統合的理解」

座長:柴田 亮行(東京女子医科大学)、鳥越 俊彦(札幌医科大学)

S-5 新規ストレス・センサーによるストレス応答シグナルと炎症性サイトカイン産生の制御
武川 睦寛 先生(東京大学医科学研究所分子シグナル制御分野)

S-6 ストレスで生じる様々なタンパク質修飾反応と生体応答
内田 浩二 先生(東京大学大学院農学生命科学研究科)

S-7 TRAF6は乳腺上皮細胞の増殖促進とストレス回避によって妊娠期の乳腺発達を促進する
井上 純一郎 先生(東京大学医科学研究所分子発癌分野)

S-8 初期胚の神経領域規定における物理的な力の関与
道上 達男 先生(東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻)

ランチョンセミナー(11:55−12:45)
演者:澤崎 達也 先生(愛媛大学・プロテオサイエンスセンター)
座長:徳永 文稔(大阪市立大学)

「ヒトプロテインアレイを用いた抗体評価技術」

評議員会・総会(12:55-13:10)

一般口演3「ストレスとオルガネラ連関」(13:25−14:13)
座長:樋口 京一(信州大学)、養王田 正文(東京農工大学)

O-9 染色体関連因子SGO2は熱ストレス時の転写促進因子として働く
瀧井 良祐(山口大学・院医・医化学))

O-10 Hikeshiによる分子シャペロンHSP70核輸送とその機能
小瀬 真吾(理化学研究所・開拓研究本部・今本細胞核機能研究)

O-11 嗅覚受容体の膜輸送を司るRTP1SのN末端の役割
養王田 正文(東京農工大学大学院工学府生命工学専攻)

O-12 ワールブルグ効果を介する鉄代謝の新規制御機構
増井 憲太(東京女子医科大学 病理学・病態神経科学分野

一般口演4「癌とタンパク質品質管理」(14:25−15:25)
座長:伊藤 英晃(秋田大学)、小林 聡(同志社大学)

O-13 Long non coding RNAに由来するがん特異抗原の検討
菊池 泰弘(札幌医科大学 病理学第一講座)

O-14 NRF3-POMP経路を介したユビキチン非依存的なタンパク質分解の誘導によるがん増悪メカニズム
和久 剛(同志社大・生命医)

O-15 分子シャペロントリオによるエクソソーム制御,腫瘍悪性化およびマクロファージ分極について
江口 傑徳(岡山大学・院医歯薬・歯科薬理学)

O-16 ヒト膵癌細胞の抗癌剤耐性能におけるHSP47の関与
米田 明弘(北海道大学産学地域協働推進機構FMI推進本部難治性疾患治療部門)

O-17 過酸化水素分解酵素カタラーゼの細胞内局在制御による酸化ストレス応答の分子機構
奥本 寛治(九大・理学研究院)

閉会の挨拶(15:25-15:30) 大会長:徳永文稔

大会の運営

大会実行委員

委員長:徳永 文稔(大阪市立大学大学院医学研究科分子病態学)
委員:
足立 弘明(産業医科大学医学部神経内科)
伊藤 英晃(秋田大学大学院理工学研究科生命科学専攻)
今泉 和則(広島大学大学院医系科学研究科分子細胞情報学)
鵜殿 平一郎(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科病態制御科学専攻)
及川 大輔(大阪市立大学大学院医学研究科分子病態学)
小亀 浩市(国立循環器病研究センター分子病態部)
塩田 正之 (大阪市立大学大学院医学研究科研究支援プラットフォーム)
柴田 亮行(東京女子医科大学医学部病理学第一講座)
鳥越 俊彦(札幌医科大学医学部病理学第一講座)
中井 彰(山口大学大学院医学系研究科医化学講座)
永井 義隆(大阪大学大学院医学系研究科神経難病治療学)
西頭 英起(宮崎大学医学部機能生化学)
樋口 京一(信州大学大学院医学研究科加齢適応医科学系加齢生物学分野)
養王田 正文(東京農工大学大学院工学府生命機能科学部門)

 

受賞者

札幌医科大学医学部病理学第一講座   菊池 泰弘

経歴

2014年 札幌医科大学医学部医学科 卒業
2016年 札幌医科大学大学院医学研究科博士課程 入学
現在に至る

所属学会

日本臨床ストレス応答学会、日本病理学会、日本癌学会、日本免疫学会、臨床免疫学会、日本がん免疫学会

コメント

この度、第13回日本臨床ストレス応答学会におきまして、若手研究奨励賞を授与頂き、大変嬉しく光栄に存じます。評価頂いた選考委員ならびに関係諸先生方、そして鳥越先生をはじめ、研究室の皆様のご指導によるものと心から感謝しております。

私は札幌医科大学病理学第一講座の大学院生として腫瘍免疫、特に癌抗原の研究を行っております。本学会ではLong non-coding RNAに由来する新規の抗原ペプチドの同定に成功したことを発表させていただきました。本研究により、タンパクをコードしていないと考えられていた領域からも抗原が産生されていること、さらには癌免疫治療の新たな標的となるということを明らかにしました。しかしながら、このような抗原ペプチドの産生メカニズムや抗原性についてなど、まだまだ不明な点や検討すべき点が数多くあります。

本研究成果をゴールとしてではなく、今後の課題と考え、若手奨励賞の受賞を励みに、これから一つずつ明らかにしていきたいと考えております。今後ともご指導ご鞭撻のほど、宜しくお願い致します。

受賞者

大阪市立大学大学院医学研究科分子病態学   駒倉 啓大

経歴

2016年3月 大阪市立大学 医学部 卒業
2016年4月 兵庫県立尼崎総合医療センター 初期臨床開始
2018年3月 兵庫県立尼崎総合医療センター 初期臨床終了
2018年4月 大阪市立大学大学院医学部 皮膚病態学 入局
2018年4月 大阪市立大学大学院医学研究科 分子病態学 入学
現在に至る

所属学会

日本皮膚科学会、日本臨床ストレス応答学会、日本分子生物学会

コメント

このたびは第13回日本臨床ストレス応答学会 若手研究奨励賞に選んでいただきありがとうございます。経験も浅く拙い発表ではありましたが、選考いただきました審査員の先生方やお聞きいただきました皆様にもこの場を借りて御礼申し上げます。

ご指導いただきました先生方には感謝を申し上げますとともに、これからも研究に邁進していく所存であります。

受賞者

宮崎大学医学部機能生化学分野   杉山 崇史

経歴

2008年3月 宮崎大学 医学部医学科 卒業
2008年4月 聖隷浜松病院 初期臨床研修医
2010年4月 聖隷浜松病院 神経内科医師
2015年4月 宮崎大学 医学部内科学講座神経呼吸内分泌代謝学分野医員
2016年4月 宮崎大学 医学部機能制御学講座 機能生化学分野大学院生
現在に至る

所属学会

日本臨床ストレス応答学会、日本分子生物学会、日本神経学会、日本内科学会、日本臨床神経生理学会、日本神経治療学会 など

コメント

この度は第13回日本臨床ストレス応答学会若手研究奨励賞に選出していただき、大変光栄に存じます。大会長の鳥越俊彦先生ならびに審査員の先生方に厚く御礼申し上げます。

最近では小胞体品質管理の異常と神経変性疾患との関連が着目されています。本研究では、小胞体品質管理の異常により樹状突起の形態変化を引き起こし、運動障害が生じることが分かりました。又、ケミカルシャペロンの投与により障害の程度が緩和することが分かりました。神経内科医としましては、難病である神経変性疾患の治療にも応用したいという希望があります。

私は3年前に大学院生として宮崎大学機能生化学分野で研究を始めるまで、純粋な臨床医であり、実験は全くしたことがありませんでした。当初は基本的な知識もなく失敗ばかりしていました。しかし徐々に研究の面白さを知ることができ、若手研究奨励賞を頂けるような研究ができたのは、指導教官の西頭英起教授をはじめ研究室の皆様や共同研究者の皆様のご指導、ご協力の賜物です。この場を借りて改めて感謝を申し上げます。今回の研究を完成させるには、まだ多くの実験が必要になりますが、今後も一層の努力を重ねる所存でありますので、よろしくお願い申し上げます。

受賞者

東京女子医科大学 大学院 医学研究科 内科学(第二)分野   山下 薫

経歴

2012年3月 東京女子医科大学 医学部医学科 卒業
2012年4月 東京女子医科大学 卒後臨床研修センター 初期臨床研修開始
2014年3月 東京女子医科大学 卒後臨床研修センター 初期臨床研修終了
2014年4月 東京女子医科大学 内科学(第二)講座 入局
2015年4月 東京女子医科大学 大学院 医学研究科 内科学(第二)分野専攻 入学
現在に至る

所属学会

日本内科学会、日本内分泌学会、日本高血圧学会、日本臨床ストレス応答学会、日本心血管内分泌学会

コメント

このたびは第12回日本臨床ストレス応答学会 若手研究奨励賞に選んでいただき、ありがとうございます。本研究発表をご評価頂いた選考委員の先生方、市原先生をはじめとする東京女子医科大学高血圧・内分泌内科の皆さま、佐野先生、遠藤先生をはじめとする慶應義塾大学医学部循環器内科の皆さまに深く感謝申し上げます。

本研究は心不全におけるレニン-アンジオテンシン系と独立したアルドステロン産生機序の解明を目的として開始し、β3アドレナリン受容体を介した新たなアルドステロン産生機序を発見しました。

この賞をいただいたことを励みに、本研究が心不全治療の予後改善につながるように、これからより一層研究活動に邁進していきたいと存じます。本当にありがとうございました。

受賞者

岡山大学大学院医歯薬学総合研究科歯科薬理学   小野 喜章

経歴

平成26年3月  岡山大学歯学部歯学科 卒業
平成27年4月  岡山大学病院 口腔外科(病態系) 入局
平成27年4月〜 岡山大学大学院医歯薬総合研究科 口腔顎顔面外科学分野
平成28年4月〜 岡山大学大学院医歯薬総合研究科 歯科薬理学分野
現在に至る

所属学会

日本癌学会、日本分子生物学会、日本臨床ストレス応答学会、日本細胞外小胞学会(JSEV)、日本口腔外科学会、日本口腔腫瘍学会

コメント

この度は、第12回日本臨床ストレス応答学会で「若手研究奨励賞」という栄誉ある賞を頂くことができ、大変嬉しく思っております。 日頃より、本研究を指導してくださっている当分野の江口先生をはじめとした研究室の皆様のご指導によるものと心から感謝しております。また、本発表を評価頂いた選考委員の先生方、学会関係者の皆様方に深く感謝申し上げます。

本研究は、様々な分子シャペロンが高転移性口腔癌細胞由来のエクソソームに内包されており、その転移性に大きな関わりをもつ可能性を示唆している、という内容であります。本研究を通して、未だ有効なバイオマーカーが見つかっていない口腔癌のリンパ節転移に対して、その早期診断への有用性に少しでも貢献できればと考えております。

研究を初めてからの月日も浅く、研究者としてまだまだ未熟者ではありますが、今回の受賞を一つの励みとし、これからも一層精進する所存でございます。

受賞者

北海道大学産学地域協働推進機構FMI推進本部難治性疾患治療部門   米田 明弘

経歴

北海道大学大学院農学研究科博士課程修了
北海道大学大学院農学研究院 助教
札幌医科大学分子標的探索講座 特任助教
北海道大学遺伝子病制御研究所 博士研究員
北海道大学産学地域協働推進機構FMI推進本部難治性疾患治療部門 特任助教
現在に至る

所属学会

日本癌学会、日本分子生物学会、日本臨床ストレス応答学会

専門領域

腫瘍免疫学、発生生物学

コメント

この度は、このような栄誉ある賞を頂き大変光栄に存じます。 審査員の方々ならびに研究指導を頂いております田村保明特任教授をはじめ、北海道大学地域協働推進機構FMI推進本部難治性疾患治療部門の皆さま、さらには共同研究者の方々に厚くお礼申し上げます。

本研究は、癌細胞でのヒートショックプロテイン(HSP)の分子機構の解明を行い、難治性癌の新規治療法の開発の糸口となる基礎的知見を得ることを目的として行ってまいりました。

本受賞の名に恥じることのないよう、今後とも研究に邁進し、我々の研究成果をいち早く癌治療の開発・利用へ届けることができるよう努力していきたいと思います。

受賞者

宮崎大学医学部機能生化学分野   村尾 直哉

経歴

平成23年3月 熊本大学 薬学部 創薬・生命薬科学科 卒業
平成27年3月 奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科 修了
平成27年4月 九州大学大学院医学研究員 基盤幹細胞学分野 博士研究員
平成27年4月 日本学術振興会 特別研究員PD
平成28年4月 宮崎大学 医学部 機能生化学分野 助教
現在に至る

所属学会

日本臨床ストレス応答学会、日本分子生物学会、日本神経科学学会 など

コメント

この度は、第12回日本臨床ストレス応答学会において若手研究奨励賞という栄誉ある賞を頂き、誠に嬉しく光栄に存じます。選考にあたりご評価頂いた選考委員の先生方、大会長の東京女子医科大学、柴田亮行先生をはじめとしました関係諸先生方に厚く御礼申し上げます。

本研究では小胞体品質管理機構の脳の高次機能、特に学習記憶能力に対する役割に着目しております。本研究により、小胞体品質管理機構の破綻が神経変性疾患等で引き起こされる神経細胞死に先立ち、神経機能異常や学習記憶能力の低下に密接に関与するという新たな知見が得られる可能性があります。本受賞を励みとしまして、今後は小胞体品質管理機構の学習記憶能力における基礎的なメカニズムの解明だけではなく、本研究を臨床への応用にも繋がる研究に発展させていけるように一層努力して参ります。

最後に今回奨励賞を頂いた研究は、西頭英起教授をはじめ宮崎大学医学部機能生化学分野の皆様や共同研究者の方々のご指導、ご協力によるものです。この場をお借りしてあらためて感謝を申し上げると同時に、私自身今後一層精進する所存です。

受賞者

早稲田大学理工学術院先進理工学部生命医科学科   田中 昌子

経歴

2012年4月 日本学術振興会 特別研究員 (DC2)
2014年3月 大阪市立大学大学院医学研究科基礎医科学専攻博士課程 修了 博士(医学)取得
2014年4月 大阪市立大学大学院医学研究科 特任助教
2017年4月 早稲田大学理工学術院先進理工学部生命医科学科 助教
現在に至る

所属学会

日本臨床ストレス応答学会、日本薬理学会、日本癌学会

コメント

このたびは若手研究奨励賞を授賞いただき、大変光栄に存じます。大会長の柴田先生ならびに審査員の先生方には厚く御礼申し上げます。また、本研究をご指導くださった大阪市立大学の塩田正之先生をはじめ多くの先生方にこの場を借りて御礼申し上げます。

私は博士課程在学中より、シャペロンと結合するタンパク質の網羅的解析によりストレス応答を解明する研究に取り組んでまいりました。本大会への参加は初めてでしたが、専門分野の先生方とディスカッションできたことで、水を得た魚のような心地でおります。さらには私どもの研究をご評価いただき、非常に大きな励みとなりました。

栄誉ある賞の名に恥じぬよう、今後も研究により一層邁進してまいります。引き続き研究成果をご報告できることを楽しみに頑張りますので、ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。